中国北京市で開かれた第2回世界人型ロボット運動会では、走行記録の大幅な更新に加え、障害物競走や綱引きなどを通じて、ロボットのバランス制御や環境適応、持続的に力を発揮する能力などが試された。では、ロボット「アスリート」は、いったい何を競っているのか。人民日報が伝えた。
400メートル走は前大会の1分28秒03から、今大会では小型部門が45秒66、大型部門が38秒15に短縮された。1500メートル走は6分34秒40から2分21秒64に、垂直跳びは0.95641メートルから3.40メートルに記録を伸ばした。このほか、サッカー、体操、重量挙げ、ストリートダンス、スポーツダンス、武術、投壺(とうこ)、卓球、キックボクシングなどの競技も行われた。
ただ、今大会で試されたのは速さや高さだけではない。新設された400メートル障害物競走では、バランス能力や障害物を越える能力、環境への適応能力などが問われた。100メートル障害物競走を発展させた競技で、高台やタイヤ、低い通路、足場などが新たに加えられた。難易度が上がった中でも各チームはスムーズな動きを見せ、制御能力の向上が示されたという。
綱引きも今大会で新設された。大会組織委員会委員で中国ソフトウェア評価センター副センター長の鞏瀟氏は、重心制御や足裏のグリップ力、安定して力を出し続ける能力が試されると説明。こうした能力は、将来ロボットが牽引や運搬、押す・引くといった作業を行う際にも役立つという。
競うのは、人が操作するロボットだけではない。新設された青少年競技のサッカー3対3・U19部門では、小・中・高校生が同じ舞台で競技した。ロボットは完全自律方式で、人間による遠隔操作やバックエンドからの介入は禁止。視覚認識システムとローカルアルゴリズムだけで、ドリブルやポジション取り、シュートなどを行った。
参加チームの一つ「景山学校・城市之間科技チーム」は学校と企業の合同チームで、企業が技術と設備を提供し、生徒が教師の指導の下、基礎技術資料をもとにアルゴリズムや戦略を設計した。
中国科学技術大学工学科学学院副院長兼人型ロボット研究院副院長の張世武氏は、ロボット競技を基礎教育まで広げることが、人型ロボット産業の人材育成や青少年の科学技術教育につながるとの見方を示した。
大会で得られるのは勝敗や記録だけではない。閉会式では、賽迪研究院と北奥集団が、北京人型ロボットイノベーションセンター、上海智元、銀河通用、万境千尋、星海図などと共同で、人型ロボット運動会の全量データセットを発表した。
データセットには、準備期間と競技期間中に収集した2500時間を超える操作データが収録されている。産業、商業施設・小売、飲食、オフィス、家庭、消防・救援、ホテルなど12の応用シーンを網羅し、44項目の作業、100を超える技能、1万件を超える細分化されたタスクが含まれている。
今後は大会組織委員会を通じて無料公開し、企業、研究機関、大学などが利用できるようにする。実機によるデータ収集コストや、各チームがゼロからデータを集める負担の軽減が期待されている。

第2回世界人型ロボット運動会で行われた綱引きの試合。(画像提供:人民網)