中国科学院国家天文台の姜鵬氏率いる研究チームは、「中国天眼」と呼ばれる500メートル口径球面電波望遠鏡(FAST)による中性水素観測プロジェクト「FASHI」の第2期データセット「FASHI DR2」を公開した。銀河系外の中性水素源15万6411個を収録しており、この分野では世界最大規模のデータセットとなる。関連成果は9月8日、学術誌に掲載された。新華社が伝えた。
中性水素は、銀河や恒星を形成する材料となる物質である。中性水素から出る波長21センチの電波は星間塵を通過するため、銀河の形成や進化を調べる手掛かりになる。FASHI DR2の観測範囲は約1万9500平方度で、全天のほぼ半分をカバーした。収録した中性水素源の数は、米国のアレシボ望遠鏡によるALFALFAサーベイの約5倍で、FASHIの第1期データの約4倍となった。
研究チームはこのデータを使い、近傍宇宙に存在する中性水素の密度を統計精度0.6%で測定した。データは、銀河の進化や暗黒物質(ダークマター)の分布、宇宙の大規模構造などの研究に利用できるほか、重力波の発生源の特定や次世代電波望遠鏡による観測研究にも活用できる。

(画像提供:人民網)