中国東方航空のワイドボディ機では最近、高度1万メートルでもインターネット接続サービスを利用できるようになっている。人民日報が伝えた。
これまで旅客機では、搭乗後にインターネットを利用できないことも多かったが、現在では高度1万メートルの上空でもネット接続が可能になっている。こうした機内通信はどのように実現しているのだろうか。
専門家によると、航空機をインターネットに接続する主な通信方式には、地上の基地局と航空機を直接結ぶ「地対空通信」と、通信衛星を利用する「衛星通信」の2つがある。
地対空通信では、航空機に専用アンテナを設置し、航空路に沿って地上に基地局を整備する。基地局から上空に向けて信号を送り、航空機がカバーエリアに入ると自動的に接続する。技術が成熟しており、比較的低コストで遅延も短く、地上の4G通信に近い通信環境を構築できる。一方、地上の基地局が必要なため、海洋や高原、砂漠など基地局を設置できない地域では通信が途切れる。
衛星通信では、航空機に設置したアンテナを通信衛星に向け、航空機から送られた信号を衛星経由で地上局に中継し、インターネットに接続する。広い範囲をカバーでき、地形や航空路の制約を受けにくく、航空路に沿って多数の基地局を設ける必要もない。このため、世界各地の航空路をカバーしやすい。一方、高軌道衛星を利用する場合は通信に0.5秒以上の遅延が生じることがあり、ビデオ通話やオンラインゲームなどには影響が出る。また、飛行する国・地域によって利用する衛星や帯域が異なり、通信環境に差が生じる場合もある。
航科院(北京)科技発展有限公司の史亜傑董事長によると、中国の民間航空機は主に高軌道衛星を利用しているのに対し、海外の一部航空会社ではすでに低軌道衛星による通信システムが導入されている。低軌道衛星は通信遅延を短縮し、通信帯域を拡大できるため、高精細動画やビデオ会議などにも対応し、地上に近いインターネット利用環境を実現できるという。
中国では現在、独自の低軌道衛星コンステレーションの構築が進められている。中国衛星網絡集団有限公司と上海垣信衛星科技有限公司の2社がそれぞれ低軌道衛星の打ち上げを進めており、原文では累計200基を超えたとしている。年内には世界規模のネットワーク構築を進め、高度1万メートルでも地上に近いインターネット環境の実現を目指している。
航空機でのインターネット接続には、衛星の設計やロケットによる打ち上げ、軌道配置、通信、航空機の改修など、幅広い技術が必要になる。こうした機内通信の整備には、民間航空だけでなく、宇宙開発、材料、電子情報など複数の産業が関わっている。