中国上海市で開かれた産業技術の展示会「第26回中国国際工業博覧会」で12日、復旦大学の研究チームが開発した配達ロボット「旦宝」が披露された。このロボットには、視覚情報だけで周囲の環境を認識し、自律的に判断する「エッジ・ブレイン」が搭載されている。中国新聞社が伝えた。
復旦大学未来信息創新学院の博士研究員、張天資氏によると、視覚情報だけを利用するロボット向けエッジ・ブレインの技術開発により、ロボットは事前に作成した地図などに頼らずに移動できるようになった。これにより、ロボットの自律動作を支える基本的な仕組みは、「事前設定への依存」から「自律的な理解」へと移行するという。同氏は、「これまでのロボットは、事前の設定や地図に従って動いていた。これからのロボットは、知能によって周囲の環境を理解する必要がある」と説明した。
従来、ロボットの移動や作業は、主に遠隔操作、事前プログラミング、事前の地図作成という3つの方式に依存してきた。遠隔操作を除けば、あらかじめ設定された動作経路も、事前に作成した地図も、ロボット自身が周囲の環境をリアルタイムで認識して得たものではなく、稼働前に与えられたものだった。そのため、環境や作業内容が変化すると、プログラムや地図を作り直す必要があった。
「旦宝」は、視覚情報だけを使い、消費電力20ワット(W)未満のエッジ側チップ上で、周囲の空間の理解と自律的な判断をリアルタイムで行うことができる。これにより、複雑で未知の環境でも、遠隔操作や事前の地図作成なしに自律移動が可能となる。搭載されたエッジ・ブレインが視覚情報から周囲の空間を直接把握し、それに基づいて判断・行動するため、リアルタイムの遠隔操作や事前に設定されたプログラム、地図に依存せずに動作できる。
研究チームは現在、配達・配送、点検、業務用清掃など、さまざまな種類のロボットへの技術適用を進めるとともに、中国製のエッジAI処理用チップへの対応も進めている。今後は「空間知能―タスク知能―エッジ側汎用知能」という段階的な開発方針に沿って、ロボットを自律移動から作業の自律的な遂行へ、さらに人間の意図を理解し、継続的に機能を向上させる段階へと発展させていく方針だ。
(提供元:人民網)