2021年11月
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インド「高等教育プロフィール2019-20」発表

インド教育省(Ministry of Education: MoE)は、2021年6月に発表した「全インド高等教育調査2019-20報告書」(All India Survey on Higher Education 2019-20: AISHE 2019-20)に続いて、「高等教育プロフィール2019-20」(Higher Education Profile 2019-20: HEP 2019-20)を発表した。

この資料は、AIHSE2019-20の内容を中心に、他ソースからの関連情報も加味し、カラー図表を全面的に採用し分かり易く整理されたものであり、インド高等教育の全体像を視覚的に理解するために非常に便利で有用なものである。

HEP 2019-20表紙

今回のHEP 2019-20では、その冒頭で、制作意図・目的・概要が「概念的枠組み」として以下のように整理している。

概念的枠組み(Conceptual Framework)

現代の教育システムは、社会とその福祉のため知識を創造し普及させ応用するために、本質的に強固なデータベース・システムを必要としている。教育省は、エビデンスに基づく政策立案や効果的な計画立案の目的で、国内のすべての高等教育機関から電子データを収集する高等教育に関する全インド規模での高等教育調査(AISHE)を実施しており、毎年発行しているAISHE報告書は、高等教育機関の統計的プロフィールを把握するだけでなく、様々な分野の分析にも非常に役立っている。

教育省・高等教育庁(Department of Higher Education: DHE)傘下の計画・監視・統計局(Planning, Monitoring and Statistics Bureau)が今回初めて発行したインド「高等教育プロフィール(HEP)2019-20」では、インド全土および州ごとの高等教育の統計的プロフィールが、以下のように、人口動態と学術指標(パラメータ)という2つの大きなセグメントに分けて、分かり易く記載されている。

<セグメント>

<学術指標(パラメータ)>

1)人口統計学的プロファイル

  • 予測人口(18-23歳)
  • 識字率

2)高等教育指標

  • 大学、カレッジ、独立した教育機関の数
  • 自治体立法のカレッジとデュアルモードの大学の数
  • 農村部にある大学の割合、女子専用の大学の割合
  • 学位を授与する大学/機関
  • 高等教育への入学者数
  • 総就学率、ジェンダーパリティ指数、生徒の教師比率
  • 教職員および非教職員の数
  • ホステルの収容人数と入学定員、教育インフラの詳細など
  • 高等教育機関の認定状況
  • 教育省が発表する高等教育ランキング
    • 「全国高等教育機関ランキングフレームワーク」
      (National Institute of Ranking Framework: NIRF)
    • 「環境衛生に関する高等教育機関ランキング」(*)
      (Swachhata Ranking of Higher Learning Institutes: SRHLI)
    • 「イノベーション達成に関する高等教育機関ランキング」
      (Atal Ranking of Institutions on Innovation Achievements: ARIIA)

これらすべての側面に関する統計情報の収集には、主にAISHE報告書の内容が用いられている。また、高等教育の主要指標を網羅的に示すために、「全国高等教育機関別ランキングフレームワーク(NIRF)」、「全国評価・認定評議会(NAAC)」、「大学助成委員会(UGC)」、「イノベーション達成に関する機関ランキング(ARIIA)」、「2011年インド政府国勢調査報告書」など、多様な情報源からのデータも引用されている。

データソースについては、関連する箇所に記載してあるが、記載されていない場合は、AISHE 2019-20報告書から引用されたもの。また、本資料で使用されている地図は正確な縮尺ではなく、地図上で使用されている境界線や名称は単なる視覚的表現で、法的な境界位置を決定するものではない。

(*)「環境衛生に関する高等教育機関ランキング」(Swachhata Ranking of Higher Learning Institutes: SRHLI):高等教育システムおよび、それ以降のシステムにおける環境衛生を改善・促進するために、インド政府のスワッチ・バーラト(Swachh Bharat=Clean India)政策の一環として人的資源開発省(現・教育省)によって開始・実施されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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