オーストラリア研究会議励起子科学分野のセンター・オブ・エクセレンス(ARC Centre of Excellence in Exciton Science)は1月9日、同センターの研究者が主導する2つの研究プロジェクトが、超低コストの太陽光発電の研究に対する豪州再生可能エネルギー機構(ARENA)の助成金を獲得した発表した。
(提供:ARC Centre of Excellence in Exciton Science)
この助成金は、2030年までに太陽光発電の効率を27%から30%にまで高め、設置コストを現在の価格(1.20豪ドル/ワット)の4分の1(30セント/ワット)に低下させることを目的としている。
ニコラス・イーキンズ・ドークス(Nicholas Ekins-Daukes)教授とティム・シュミット(Tim Schmidt)教授が率いるチームは、有機分子のコーティングを用いて シリコン太陽電池の効率を高める技術「OMEGA Siliconn(Organic Multi Exciton Generation in Silicon)」の開発に対して480万豪ドルを授与された。
アニタ・ホーベイリー(Anita Ho-Baillie)教授は、ペロブスカイトとシリコンのタンデム型太陽電池の商用化に向けた研究に対して278万豪ドルを授与された。この研究は再生可能エネルギー技術を手掛ける企業サンドライブ(SunDrive)と共同で実施する。同教授は「シリコンの上にペロブスカイトを積み重ねることで、より多くの太陽エネルギーを電力に変換できるようにする」と説明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部