オーストラリア研究会議励起子科学分野のセンター・オブ・エクセレンス(ARC Centre of Excellence in Exciton Science)は2月22日、同センターの研究者らが、バックコンタクト型ペロブスカイト太陽電池(PSC)内部の欠陥を示し、さらなる改良を可能にするマップを作成したと発表した。研究成果は学術誌 Advanced Energy Materials に掲載された。
バックコンタクト型PSCは従来のサンドイッチ型PSCよりも理論上高い変換効率を達成できるとされ、その変換効率はここ数年で12%を超えるまで向上している。バックコンタクト型PSCの性能をさらに改善し、ペロブスカイトの光電子特性の経時的な変化やこれらの特性と構造との相関を理解するには、こうした情報を表示するマップを構築することが有益となる。
豪モナシュ大学(Monash University)と英オックスフォード大学(Oxford University)を拠点とする同センターの研究者らは、カメラと顕微鏡、コンピューターモデリングを利用して、異なるタイプのデバイスの間で、理想係数が空間的にどのように変化するかをより明確に理解しようと試みた。
チームはこのマップを用いて、メソポーラス酸化チタン(TiO2)層の使用により、再結合損失が大幅に減少し、デバイスの効率性と光ルミネセンス強度が向上することを発見した。
(提供:いずれもARC Centre of Excellence in Exciton Science)
執筆協力者(contributing author)であるモナシュ大学のボーア・タン(Boer Tan)博士は、「理想係数マッピングは、太陽光発電デバイスのデバイススケールと電極スケール両方の欠陥を見つけるためのルーティン分析として使用できる」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部