(出典:ARC Centre of Excellence in Exciton Science)
オーストラリア研究会議励起子科学分野のセンター・オブ・エクセレンス(ARC Centre of Excellence in Exciton Science)は、モナシュ大学(Monash University)を拠点とする同センターの研究者らが、バックコンタクト型ペロブスカイト太陽電池(PSC)の寄生光吸収(parasitic light absorption)を抑えて効率を向上させる機構を実証した。3月29日付け発表。研究成果は学術誌Angewandte Chemieに掲載された。
ウド・バッハ(Udo Bach)教授が率いる研究チームは、ある優先面外配向(a preferred out-of-plane orientation)を持つペロブスカイト薄膜で、キャリアダイナミック特性が改善することを発見した。
チオシアン酸グアニジンを添加されたこれらの薄膜では、非放射再結合が抑制された結果、キャリアの寿命と移動度が3~5倍に向上し、拡散長が7ミリメートルを超えた。
この薄膜を使用したデバイスはバックコンタクト型PSCとして最高レベルの性能である11.2%の再現可能な効率を達成した。これらの成果は、バックコンタクト型PSCに対するキャリアダイナミクスの影響を実証し、高性能なバックコンタクト型ペロブスカイト光電子デバイスを低コストで実現する新たな方法の基礎を固めた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部